東海大学体育会ワンダーフォーゲル部

「旧青木小屋再建要項」(当時の文書より)


趣  旨

我々東海大学体育会ワンダー・フォーゲル部も創立依頼満5年目の春を迎え、当部々誌「ななかまど」も発刊され、部の活動組織にも飛躍的充実と発展が見られております。
ワンダー・フォーゲルとは、渡り鳥を意味するものでありますが、19世紀の末、ドイツの青年達によって、自分達青年独自の精神的な社会文化運動として発達し、その基本的な観念は、青年時代は単なる老年に達する手段ではなく、又老年に至って完成さるべき一つの生活道程でもない。青年時代それ自身が既に青年時代としての一個の完成でなければいけない。その為には、青年の教育は、青年自身の自己訓練として考えられ、学校や社会の伝統的な形式や強制を離れ、簡易自然的な青年独自の生活様態を創造し、それによって20世紀末期に混濁している大都会の生活に反抗性を感じ、良き社会確立への手段として集団的に山野をワンデリングし、健全な心身を作り、自然及び祖国に対する愛の強調、国粋的な習俗の保存に努めすものとなっています。

我々東海大学体育会ワンダー・フォーゲル部も、これに基ずき我部独自のワンゲル憲章とも云うべき「大自然の中での生活を通じて、部員相互の規律、協同、親睦の精神を養うと共に、心身の練磨に努める」、全日本学生ワンダー・フォーゲル連盟でも活躍していますが、活動自体も益々大規模になって来た現在、各校ワンダー・フォーゲル部の山小屋建設のニュースを耳にし、当部も山小屋建設の気運が高まって来ました。
以前から山小屋建設の必要性や重要性は十分認識していましたが、それはほとんど夢物語でしかなかったのです。
ところがこの度、磐梯朝日国立公園の一角、吾妻連峰の旧青木小屋を持主及びマナスル登山で有名な槇有恒氏の御好意により、再建が可能になってきました。

この山小屋は、山の条件として

1.現役の活動にふさわしい所
1.オール・シーズン活動可能であること
1.合宿には十分であるこ所
1.開発の可能性のあるところ
1.夜行で行って翌日昼までに着ける所
1.ワンデリングコースの多い所

等々すべて備えているばかりでなく、他校の山小屋に比べて、段違いに低廉で出来る事や、米沢市の観光課でも好意的であります。
又小屋に於ける現役部員及び先輩との親睦の場として、父兄及び学生、先生等の交流の場として、又部員達の一致団結した力・建設への喜びなど意義のあるワンダー・フォーゲル活動として新しい面が開けると信じています。
現在、先輩達の寄附、部員達の強制アルバイト等で資金を集め、本年7月着工への準備を進めていますが、何分にも金額が大きく、個人の負担も重く、計画が難航しております。

つきましては誠に厚かましい御願いでは御座いますが、どうか暖かい御援助の程を切に御願い申し上げます。

  昭和38年4月18日

                                東海大学体育会ワンダーフォーゲル部
                                山小屋建設準備委員会
                                会 長    岡 明
                                委員長   浜田哲夫

東海大学学生会 殿